- 2019.12.03
- 電気代節約の豆知識

夏の暑い時期や冬の寒い時期は、部屋の中を快適にするために、エアコンをつけっぱなしにしたい願望にかられます。しかし、気になるのは電気代です。つけっぱなしの方がお得という噂もありますが、実際はどうなのでしょうか。
電気代が気になっている方へ
エアコンで冷房運転する場合は?
エアコンを冷房運転する場合、つけっぱなしの方がお得なのでしょうか、それともこまめにオン/オフしたほうがお得なのでしょうか。
エアコンの消費電力量は、外気温と設定温度の差が大きいほど増加します。このことを踏まえると、エアコンを消して、再度つける間の外気温の変化を考えずに、つけっぱなしにする方がお得というのは間違いです。
日中、外気温の高い時間帯では、外気温と設定温度の差が大きくなるため、こまかくつけなおすと、起動時の消費電力も大きくなってしまいます。逆に夜中であれば、外気温と設定温度の差が小さいため、つけっぱなしにしてしまうと無駄な電力を消費することになります。
ダイキンが行った実験では、目安としては、日中であれば30分程度、夜中であれば20分程度の間隔で消してつけるのであれば、つけっぱなしの方が電気代を節約することができるという結果となっています。つまりは、ちょっとした外出の後に再度エアコンをつけるのであればつけっぱなしの方がお得で、長時間外出するのであれば消した方がお得といえるでしょう。
冷房運転のポイント(ダイキンの実験結果参考)
- 日中30分、夜中20分間隔であればエアコンはオンのままがお得
- 長時間の外出など長時間使用しない場合はオフにした方がお得
エアコンで暖房する場合
それでは、暖房の場合はどうでしょうか。ちなみに、夏の冷房よりも冬の暖房の方が一般的には電気代が高くなります。冬の方が外気温と設定温度の差が大きくなるからです。
冷房の時と同じく、ダイキンの実験結果からですが、暖房の場合においても、冷房と同じく30分程度部屋を離れるだけであるのなら、エアコンを消すよりもつけっぱなしにしていた方が電気代を節約することができます。一方で、長時間の外出ではエアコンをオフにした方が電気代が安くなります。
なお、オフにする時間が長いほど、つけっぱなしよりこまめにオン/オフする方がお得になるという当たり前のような結果ですが、オフにしている間の室温の変化には注意が必要です。部屋が完全に冷え切ってしまうと、エアコンで暖めるのに大きな電力を消費します。そのため、オン/オフの回数が増えて、かつ毎回冷え切った状態から暖める場合では、つけっぱなしと大して差が無くなってしまいます。
室温の変化などにも気を配りながら、つけっぱなしとこまめなオン/オフをうまく使い分けましょう。
暖房運転のポイント(ダイキンの実験結果参考)
- 30分程度であれば、エアコンはオンのままお得
- 長時間の外出など長時間使用しない場合は、エアコンをオフにしよう
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エアコンをつけっぱなしにする時の注意点!
時間帯や状況によって、エアコンをあえてつけっぱなしにすることで電力消費量を抑えることができる場合もあることは明らかになりました。しかし全てのエアコンに当てはまるわけではありません。特に注意が必要なのは、製造年月日が古いエアコンです。
エアコンは時代が進むにつれてどんどん省エネ化していますが、古いタイプのエアコンでは、エネルギー効率面が十分ではないために、不必要な電力を消費することになってしまいます。もしもご家庭のエアコンが古いタイプの場合には、いっそのこと新しいエアコンを買ってしまうのも、長期的にみれば節約になります。
また、エアコンに備わる一部の機能にも注意が必要です。エアコンには、ほとんど除湿機能がついていますが、この除湿機能が再熱除湿方式の場合、単なる冷房よりも多くの電力を必要とします。
再熱除湿というのは、除湿のために取り込んで冷やした空気を、適温に温め直してから送り出すものです。ただ冷やすためならば特に必要ではない工程が含まれてしまうため、余分な電力を消費してしまいます。エアコンの電気代を抑えるためには、使用する時間帯と状況をよく考えて稼働させることが重要なことなのです。
節電するポイントを教えて!
エアコンは使い方によって消費電力量を抑えることは可能ですが、使用方法以外でもちょっとした工夫や手間が節電に繋がります。例えば夏の暑い日には打ち水をするなどして、室外の温度を下げるようにしましょう。具体的に打ち水は、1Lの水を撒くと、1000立方メートルの空間を約2度下げる効果があります。
室内の温度の問題に、室外周辺の温度というのは少なからず影響するので、内側だけではなく、外側の気温にも意識を傾けるようにしてください。
また、エアコンの消費電力を抑えるうえで重要になってくるのが、室外機です。実はエアコンの消費電力の9割は、この室外機が消費しています。つまり、室外機の環境整備を行うことで、エアコンの消費電力をかなり抑えることができます。室外機の周りを掃除したり、風通しが悪くならない程度に日よけをつけて、直射日光を遮ることで、室外機が熱くなってしまうのを防いだりすることが有効です。
室内でできる工夫としては、すだれやカーテン等で窓からの熱の出入りを防いだり、サーキュレーターで室内の空気を循環させたりすることで、エアコンの負担を少なくすることが出来ます。また、エアコンのフィルターを掃除することも大切です。エアコンによっては、自動運転モードがあったりするので、上手く利用し、無駄な消費電力を減らすようにしましょう。
エアコンの設定温度について
環境省の案内では、夏の冷房時の室温は28℃を目安に設定し、冬の暖房時の室温は20℃を目安に設定するようにすすめられています。また、室内の温度設定を1℃変えるとどのくらい消費電力を削減できるのか確認し自宅での節電に心がけましょう。
- 夏の冷房時の設定温度を1℃高くすると約13%(約70W)の消費電力の削減
- 冬の暖房時の設定温度を1℃低くすると約10%の消費電力の削減
この記事のまとめ
エアコンをつけっぱなしの方がいい状況なのか、それとも切っておいた方がいい状況なのかということは、環境によって左右されてしまいます。また、快適さと電気代のどちらをとるのかという問題もあります。エアコンはつけっぱなしにしておいたほうがお得なのか、こまめに消した方がよいのかは、実験データを参考に実生活に役立てましょう。
- エアコンの使用は、冷房と暖房どちらも20~30分の不在であれば電気をオンのまま、長時間であればオフにした方がお得
- 古いタイプのエアコンはエネルギー効率面が十分でないため、買い替えを検討した方がよい場合がある
- 室外機の周りを掃除するなどの環境整備でエアコンの電力の消費を抑えることができる
エアコンの電気代が気になる方におすすめなのが、電力会社の変更をすることです。電力自由化以後、地域の電力会社よりも電気代が安くなる料金設定の電力会社が多く参入しています。どの電力会社がおすすめかは電気使用量や他のサービスの利用状況などでも変わってきます。そこで、電力会社の比較サービスを利用することをおすすめします。1か月分の検針票の内容から、電気代が安くなる電力会社を探すことができます。変にエアコンを我慢するのではなく、電力会社を変更して電気代を節約してみましょう。