一般家庭向けの電気を販売する新電力会社の中に新日本エネルギーという会社があります。2021年7月現在電気の販売を行うエリアは、東京エリア、北陸エリア、九州エリアのみになります。これから電気の切替を考えている人に新日本エネルギーの電気プランはお得なのか紹介していきます。
電気代が気になっている方へ
目次
新日本エネルギーの「新ネクストプラン」
新電力会社として登場した新日本エネルギーは一般家庭向けのプランとして「新ネクストプラン」を主軸に電気の販売を行っています。現在電気の提供を行う東京エリア、北陸エリア、九州エリアは大手電力会社の従量電灯プランで基本料金制を採用しているエリアです。新日本エネルギーの新ネクストプランは従量電灯B/Cに相当するプランとなっています。
従量電灯Bと比較すると下記3つの特徴が分かります。
3つの特徴
- 10A、15Aの契約アンペアが小さい人は申し込みができない(契約は20A以上)
- 基本料金は大手電力会社の従量電灯Bと同額
- 電力量料金は3段階設定で3段階目だけが大手電力会社より安く設定されている
上記特徴を踏まえるとあまり電気を使わない人にはメリットは少ないように思います。それでは、表にして比較してみましょう。
東京エリア「新ネクストプラン電灯B」(東京電力エナジーパートナー従量電灯B相当)
区分 | 単位 | 新日本エネルギー | 東京電力EP | 差額※ | |
---|---|---|---|---|---|
新ネクストプラン電灯B | 従量電灯B | ||||
基本料金 | 20A | 1契約 | 572.00円 | 572.00円 | 0.00円 |
30A | 858.00円 | 858.00円 | |||
40A | 1144.00円 | 1144.00円 | |||
50A | 1430.00円 | 1430.00円 | |||
60A | 1716.00円 | 1716.00円 | |||
電力量料金 | 最初の120kWhまで | 1kWh | 19.88円 | 19.88円 | |
120kWhをこえ300kWhまで | 26.48円 | 26.48円 | |||
300kWh超過分 | 29.04円 | 30.57円 | -1.53円 |
※差額は、東京電力エナジーパートナー従量電灯Bとの差額です。
新ネクストプラン電灯Bはどれだけ安くなる?
それでは、実際に電気代はどのくらい安くなるのかシミュレーションを行ってみましょう。
東京エリアで下記条件の家庭をモデルケースに電気代の比較を行ってみます。
1人暮らし(1ヶ月の電気使用量30A220kWhの場合)
1人暮らしの人は、20A~30Aで契約している人が多いです。1人暮らしの人の1ヶ月の平均電気代は5,791円(総務省統計局の家計調査2020年より)なので毎月200kWh~250kWh程度で電気を利用している人が多いと思われます。
下記表で電気代の比較を行ってみましたが、1人暮らしの家庭で1ヶ月の電気使用量が30A250kWhの家庭では電気代に差がありません。これは、電力量料金の単価が新日本エネルギーの新ネクストプラン電灯Bと東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bでは2段階目まで同じ単価設定になっているからです。基本料金も変わらないため、毎月の電気使用量が300kWh以下の人はメリットを感じられないかもしれません。
30A220kWh/月 | 新日本エネルギー | 東京電力EP | 差額 |
---|---|---|---|
新ネクストプラン電灯B | 従量電灯B | ||
1ヶ月の電気代 | 5,891円 | 5,891円 | 0円 |
1年間の電気代 | 70,692円 | 70,692円 | 0円 |
※年間の電気代は計算を簡易にするために年間で使用量に変動はなく、燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まれていません。
※電気料金の合計額は円未満切り捨て請求となります。
2~3人暮らし(1ヶ月の電気使用量30A370kWh)
2~3人暮らしの人は、30A~40Aで契約している人が多いです。2~3人暮らしの人の1ヶ月の平均電気代は10,671円(総務省統計局の家計調査2020年より)なので毎月350kWh~400kWh程度で電気を使用している人が多いと思われます。
下記表で電気代の比較を行ってみると2~3人暮らしの家庭で1ヶ月の電気使用量が30A370kWhの家庭では東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bと比較し年間で約1,300円程度電気代を節約することができます。月の電気使用量が300kWh以上の人は新日本エネルギーの新ネクストプランBに変更すると電気代は安くなるという事が分かりました。新ネクストプランBは、300kWh超過分の電力量料金単価が安く設定されているので電気を多く使う人はよりお得に電気を利用することができるのでメリットを感じられるでしょう。
30A370kWh | 新日本エネルギー | 東京電力EP | 差額 |
---|---|---|---|
新ネクストプランB | 従量電灯B | ||
1ヶ月の電気代 | 10,042円 | 10,149円 | -107円 |
1年間の電気代 | 120,504円 | 121,788円 | -1,284円 |
繰り返しになりますが、新日本エネルギーの電気プラン「新ネクストプラン」は基本料金が大手電力会社の従量電灯B/Cと電力量料金の1~2段階目が同じ単価設定で3段階目が安く設定されています。大手電力会社の従量電灯B/Cと比較し300kWh以上電気を使用する人は電気代を安くすることができます。電気使用量が多い家庭、店舗や商店などの電気を多く使う大手電力会社の従量電灯Cプランで契約する人も電気代が安くなる可能性が高いのでメリットを感じられるでしょう。
また、多くの電力会社で電気代の支払でポイントが貯められたり、別のサービスとのセット割で割引が適用されるなどのサービスを設けいている電力会社が多くありますが、新日本エネルギーは現在そのようなサービスはないようです。これまでの電力会社とこれまでの電力会社と料金体系は変わらず、単価の比較でどれだけお得に利用できるかが確認出来るのでシンプルで分かりやすいかもしれません。
「新ネクストプラン」のメリット・デメリット
【メリット】
☆電気を多く使う人は電気代が安くなる
※300kWh超過分の電力量料金単価が安く設定されているため、毎月の電気使用量が300kWh以上の人は電気代が安くなる
【メリット】
☆電気を多く使う人は電気代が安くなる
※300kWh超過分の電力量料金単価が安く設定されているため、毎月の電気使用量が300kWh以上の人は電気代が安くなる
【デメリット】
☆一人暮らしの人など電気をあまり使わない人は電気代が安くならない
※毎月の電気使用量が300kWh以下の人は基本料金、電力量料金単価の1、2段目が大手電力会社の従量電灯B/Cと同じため電気代は安くならない
☆セット割やポイント付与による還元サービスがない
☆更新月以外で解約を希望する場合は解約金が発生する(次項に詳細説明有)
新日本エネルギーの電力供給は安全?手続き方法は?
新日本エネルギーは株式会社NEXT ONEが運営する電力事業で2019年より電気の販売を行っています。経済産業省に電気の小売電気事業者登録(登録番号:A0463)を行っているしっかりとした会社です。また、新日本エネルギーに電力会社を変えてもこれまでと変わらない送配電線を利用して電気が送られるので停電しやすくなったり電気の品質が落ちたりするような心配はありません。電気の品質・信頼性はこれまでと変わらず利用できるという事です。
また、新日本エネルギーに電力会社を切り替える場合はスマートメーターの設置が必要になりますが、設置が未設定の住宅でも原則、切替に伴う工事費用などは必要なく、申し込みの手続きを行うだけで電力会社が手配を行ってくれるため心配することはありません。
申込方法
新日本エネルギーの電気プランに申し込みを行う場合は、新日本エネルギーのホームページから申し込みを行う事ができます。また、所定の申込用紙に必要事項を記載して郵送で申し込みを行う事も可能です。
電気代の支払方法
電気代の支払方法は口座振替、クレジットカードまたはコンビニ窓口支払から選択できます。新電力会社は、クレジットカード払いに限られる場合なども多いのでコンビニ窓口の支払が可能なのはうれしいですね。ただし、コンビニ窓口支払用紙を希望する場合は330円/月の手数料が必要になるようです。また、請求書が必要な人用に請求書の発行も220円/月で行っています。
電気の使用状況の確認
新日本エネルギーに電力会社を変更して電気使用量の確認を行いたい場合は、新日本エネルギーのマイページで使用量や電気料金を確認することができます。
インターネット上のマイページで確認する方法以外に郵送ハガキで電気料金と使用量のお知らせを希望することも可能です。希望すると220円/月の手数料が必要になりますが書面で使用状況の確認を行いたいという人にはうれしいサービスです。
解約について
新日本エネルギーは3年契約の自動更新です。更新月以外の解約で9,900円の解約金が発生するので注意しましょう。更新月で解約を希望する場合は、15日前までに新日本エネルギーのホームページや電話で解約や変更を伝えると手続きができます。
この記事のまとめ
一般家庭向けに電力自由化がスタートして5年が経ちました。その中で新日本エネルギーは2019年から販売をスタートしているので新しい会社と言えるかもしれません。しかし、有名人を広告として宣伝しているなど、名前を聞いたことがあるという人もいるのではないでしょうか。気になった人は一度電気プランが自分にあっているかシミュレーションをしてみるとよいでしょう。
- 新ネクストプランは電気を多く使う人は電気代が安くなる
- 電気をあまり使わない人は電気代を安くすることができない
- セット割やポイント付与などの還元がない
2016年の電力小売全面自由化以降に多くの新電力会社が登場しました。電力会社は自由に選べるようになったとはいえ、たくさんありすぎてどの電気プランがよいのか正直分からない、という人も多いと思います。そういった人は一括比較サイトを利用してみましょう。現在の電気の使い方で電気代が安くなる電力会社をランキングで確認することができます。一度試してみてはいかがでしょうか。